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 米田ひろしの証文 1/4 -挫折から引きこもり-

今でこそ日本は心の病の時代と呼ばれ多くの方々が何らかの形で精神的な病を抱えていると言われている時代になっていますが、私は今からちょうど15年前、まだ"引きこもり"という言葉が認知されていなかった頃に引きこもり状態にあった経験があります。当時私は16歳でした。肉体的にも精神的にも解放され癒されるのに、それから6年の時間がかかるのですが、その6年間というのは当時の私にとっては、いつまでも晴れない曇り空の下をいつまでもうつむいて歩くような憂鬱な日々でした。

baseballきっかけは野球の挫折でした。私は小さい頃から野球に打ち込んでいました。将来はプロ野球選手に、またはそれがダメでもなんらかの形で野球に関わって生きていきたいという夢をいだいて頑張っていたのですが、高校1年の時、練習中の事故から左目に怪我をしてしまいそれがもとで野球をあきらめなければならなくなってしまいました。野球をしたくて選んだ高校でしたので退部した数ヶ月後にはその高校も退学しました。今にすれば、まだ16歳でこれから新しい目標を持てたはずだと思えるのですが当時の自分は喪失感と失望感でいっぱいでした。そんな自分を人に見られるのがいやで、とにかく逃げ出したくて人目を避けるように引きこもり生活に突入していきました。一度引きこもりの状態に入ってしまうと朝起きて夜寝るという規則正しい生活ができなくなってしまいます。規則正しい生活というのは1日を長く感じさせてしまうものです。また昼間に起きているとどうしても人に会い言葉を交わさなければなりません。夕方、日が暮れかけた頃起き出して明け方に眠りにつくという生活パターンを繰り返していました。そんな生活習慣が原因で自律神経にも狂いが生じてきてひどい鬱状態になるようになりました。私の場合鬱状態になると特に胃腸に変調がきました。食べたものを全部戻したり下痢が続いたり血便が出たりを繰り返していました。次はいつ鬱が来るのだろうといつも恐れていました。

そんな生活が2年くらい続いて鬱状態が軽い時などに少しづつ表に出ていけるようになりました。近所の人にも、もう充分自分の状態を知られていたので開き直るような気持ちになっていたと思います。リハビリも兼ねていろいろとアルバイトも始めました。でも周期的に来る鬱のために休み勝ちになり長続きしませんでした。自信がなくてすぐに逃げよう逃げようとしてしまうのです。いらいらして家では特に母親に対して暴力をふるうようになっていました。物にもあたるようになりました。今でも私の部屋の壁や扉には当時の傷や穴が残っています。 →続き 「アメリカ留学」